- こうし
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こうし【交子】中国, 宋朝が発行した, 世界最古の紙幣。 もと売買取引に使われていた手形を, 政府が引き継ぎ紙幣として発行したもの。→ 交鈔IIこうし【交趾・交阯】前漢の武帝がベトナムのトンキン地方に設置した郡名。 一〇世紀にベトナムの独立後も中国はこの国を安南または交趾と称した。 こうち。 コーチ。IIIこうし【光子】光は波動と粒子の二重性をもち, 振動数ν(ニュー)の光(電磁波)は hν( h はプランクの定数)のエネルギーをもつ量子として振る舞う, その量子をいう。 光子は, 電磁場の量子化によって現れる電磁相互作用を媒介する素粒子(ゲージ粒子)で, スピンは 1 , 質量は 0 , つねに光速で進行する。 記号 γ フォトン。 光量子。IVこうし【公使】〔ambassador〕外交使節の一階級。 席次は大使に次ぐが, 職務・特権は同じ。 特命全権公使と代理公使がある。Vこうし【公司】⇒ コンスVIこうし【公子】身分の尊い家の子息。 貴族の子弟。VIIこうし【公私】おおやけ事とわたくし事。 公共や公務に関することと私的なこと。VIII
「~を混同する」
こうし【公試】国家が行う試験。 国家試験。IXこうし【厚志】情の厚い心。 親切な気持ち。 相手の好意などに対していう。X「御~ありがたくお受けします」
こうし【口試】「口頭試問」の略。XIこうし【合志】熊本県北部, 菊池郡の町。 畑作が中心だったが, 近年工場などが進出。XIIこうし【嚆矢】(1)〔「嚆」は叫ぶ意〕かぶら矢。(2)〔昔, 中国で合戦の初めに, かぶら矢を敵陣に向けて射かけたことから〕物事のはじめ。 最初。XIII「その説を唱えたのは彼をもって~とする」
こうし【孔子】(前551-前479)〔呉音で「くじ」とも〕中国, 春秋時代の魯(ロ)の思想家。 儒教の祖。 名は丘, 字(アザナ)は仲尼(チユウジ), 諡(オクリナ)は文宣王。 昌平郷陬邑(スウユウ)(山東省曲阜(キヨクフ)県)の生まれ。 魯に仕えたがいれられず, 諸国を遊説したのち, 門人の教育に専念。 周公旦(シユウコウタン)の政治と事績を理想とし, 仁と礼とを倫理的行為の根本におき, 徳治政治を達成せんとした。 その思想は, 言行を記録した「論語」にみられる。 また, 「書経」「詩経」「春秋」などを整理・編纂したといわれる。XIVこうし【孝子】親孝行な子供。 孝行息子。XVこうし【孝志】親に孝行しようとする心。 孝心。XVIこうし【小牛・子牛・犢】〔古くは「こうじ」〕牛の子。XVIIこうし【工師】大工・工匠の長。 また, 大工や工匠。XVIIIこうし【後嗣】家系をうけつぐ人。 あとつぎ。 よつぎ。XIXこうし【後翅】昆虫のはねのうち後部の一対。 後胸部に付属し, 通常前翅より面積が広い。XXこうし【後肢】(1)四本の足をもつ動物の後ろの二本の足。(2)昆虫の後胸部の付属肢。XXIこうし【恋し】〔「こひし」の上代東国方言〕恋しい。XXII「うべ児なは我(ワヌ)に恋ふなも立(タ)と月(ツク)のぬがなへ行けば~・しかるなも/万葉 3476」
こうし【更始】あらため始めること。XXIII「学制も亦~せずんばあらず/新聞雑誌 21」
こうし【格子】〔「かくし」の転〕(1)細い角材や竹などをたてよこにすき間をあけて組んだもの。 建具・天井・手すりなどに用いる。 また, 転じて碁盤の目状になっているもの。(2)「格子縞(ジマ)」の略。(3)〔物〕(ア)「結晶(ケツシヨウ)格子」のこと。 (イ)「回折(カイセツ)格子」のこと。(4)〔電〕 グリッドに同じ。(5)寝殿造りの建具の一。「蔀(シトミ)」に同じ。 「~どもも人はなくしてあきぬ/竹取」
(6)〔表通りに面した格子をはめた部屋で, 客を待ったところから〕遊女。 また, その位。 吉原では太夫(タユウ)の次の位。 格子女郎。 また, 格子女郎のいる所。XXIV「いはれざる太夫・~の望みなり/浮世草子・置土産 4」
こうし【構思】構想を練ること。 また, その構想。XXVこうし【港市】みなとまち。 港湾都市。XXVIこうし【甲子】干支(エト)の一。 きのえね。 かっし。XXVIIこうし【皇嗣】皇位を継承するよう定められた者。XXVIIIこうし【皇子】天皇の子。 特に, 天皇の男の子。 おうじ。 みこ。 親王。⇔ 皇女XXIXこうし【皇師】天皇がひきいる軍隊。 みいくさ。 皇軍。XXXこうし【皓歯】まっ白できれいな歯。XXXI「明眸(メイボウ)~」
こうし【紅紫】(1)くれないとむらさき。(2)種々の美しい色。XXXII「柳営庭前の花, ~の色を交へて/太平記 39」
こうし【紅脂】紅(ベニ)と脂粉。XXXIIIこうし【考思】「思考」に同じ。XXXIV「先づ双方の所説を聞きて~するを常とす/希臘思潮を論ず(敏)」
こうし【考試】学力・能力などを試験して, 合否・及落を判定すること。 試験。XXXVこうし【行使】武力・権力・権利などを実際に用いること。XXXVI「公民権を~する」「武力~」
こうし【講師】(1)講演会や講習会で講演・講義をする人。(2)大学などで, 教授・助教授に準ずる職務にあたる教員の職名。→ こうじ(講師)XXXVIIこうし【貢士】明治維新当初, 藩主の推挙により選出され, 下の議事所のち議政官下局, ついで貢士対策所に出仕した議事官。XXXVIIIこうし【郊祀】古代中国で, 帝王が国都の郊外に壇を築き天地をまつる儀式。 漢代以降は帝王の特権となり, その威厳を誇示する祭祀(サイシ)となった。 八~九世紀, 日本でも行われた。 郊社。 郊祭。XXXIXこうし【鉱滓】⇒ スラグXLこうし【香紙】丁字または沈香の粉末をすき込んだ紙。 また, 丁字で染めた紙。XLIこうし【香資】霊前に供える金銭。 香典。XLIIこうし【高士】(1)人格が気高くすぐれている人物。(2)脱俗している高潔の士。XLIII「風懐の~/日本風景論(重昂)」
こうし【高師】「高等師範学校」の略。XLIVこうし【高志】高くすぐれたこころざし。 また, 他人のこころざしを敬っていう語。XLVこうし【黄紙】⇒ 黄麻紙
Japanese explanatory dictionaries. 2013.